寝よう寝ようと思えば思うほど目が冴えるのです.
1日歩き続けて溜まった体の疲労が早くも痛みとなって寝返りするのもキツイ・・・
思い返してみると,この日の夜が四国滞在17日間の中でイッチバン長く感じた.
8時には横になったのだけど,深夜3時ぐらいまではガンガンに目が冴えまくっていた.
それから一瞬記憶が飛んで,ふと気づくと5時.え?今,俺寝てた?みたいな感じ.全く寝た気がせん.
あたりを見ると段々と夜が明けはじめていたので,出発することにした.ほとんど寝ていないのに体の痛みは不思議とやわらいでいたが,寝れなかったという精神的なダメージがでかい.
荷物をまとめて軽く朝食をとって出発.
2日目は少し曇っていて日差しがなく昨日に比べれば格段に涼しかったので調子が良い感じ.
しかし,途中から両足の小指とかかとあたりがピリピリと痛み始めた.
おっかしーなーと思って靴下を脱いでみると痛みを感じる場所には水ぶくれが・・・マジか.マメできちゃいました.
本当にあっけない.マメってもっともっと酷使しないとできないと思ってたけどあまりにもあっけない.
甘栗むいちゃいましたーみたいなノリでマメできちゃいましたーって.
バイブルの忠告を破って無謀ともいうべきペースで進んだツケが2日目にして回ってきました.
歩き遍路をする上で,足にマメを作るってことは精神的にも肉体的にも非常にマズイ.だって1歩踏み出すごとにマメがズキンと痛むのよ.最初のうちは万歩計で歩数と大体の移動距離を計ってたんだけど,1日3万歩,4万歩近く歩くのよ.
つまり1日3万回ズキンとするわけ.
それで,マメをかばうような歩き方を無意識にしてしまったりして,また変な所にマメができたりするの.負の連鎖.結局このマメは四国滞在中,毎日どんどんと大きく深く姿を変えて,僕を苦しめ続けた.
途中あまりの痛みのために,持参していたテーピングを施してみるとこれが想像以上の効果を発揮.たかがテープ.されどテープ.
テーピングはこの後も絶大な存在感と効果を見せつけてくれた保健部門のベストアイテム.また同時にマストアイテムでもある.途中でわざわざ買い足したほど.足の他にも杖との摩擦で手の皮が擦り剥けたりしたので手にもぐるぐると巻いて歩いていた.
歩き遍路の朝はテーピングで始まる.
2日目午前中はマメの痛みと格闘しながらも7番~10番まで計10kmを歩いた.
道端の風景は相変わらず,こんな田んぼばっかり.
10番切幡(きりはた)寺についたのが大体正午前.参拝を終えて次へ向かおうとした時,おじいさんに声をかけられた.
話をしてみるとそのおじいさんは地元の人でよくこの寺にお参りに来るとのこと.しかも親切なことに,帰り道なので次の11番藤井寺(ふじいでら)まで車で送ってってくれるらしい!
このおじいさんのおかげで11番までの10kmを20分弱で移動できた.車ってなんて便利なんだ.歩くのが馬鹿らしくなるほどに便利.だって歩いてたら,3時間はかかるもの.
そして,このおじいさんの親切なこと.移動中も近辺のスーパーや銭湯の場所など事細かに教えてくれたのでとても助かった.
車内で少し話しているうちに藤井寺に難なく到着!
お礼を言って,参拝した後に教えてもらった銭湯に寄ってみますと言うと,「じゃあここで待っててあげるから参っておいで.その後,銭湯まで送ってってあげるよ.」と何から何まで親切.
ということでお言葉に甘えます.待たせては悪いと2,3分でお参りを済ませる.
ちゃっちゃと済ませた後は車のところまで戻ると,
あれ?車ないな?えっと,シルバーの軽・・・シルバーの軽・・・
・・・
・・・・・
・・・・・・・
無い!!
数分前に降ろしてもらった場所から跡形もなく消えてる!
しかもなんともマズイことに,あの車のトランクには着替え,寝袋,保健道具などの荷物を詰めたザックが丸々乗っけたまんまだ・・・
これ,まさかとられちゃった・・・の?超パニック状態.冷や汗が噴き出た.
手元に残ったのは,参拝に必要なものや,よく取り出すものをまとめた小さいバックのみ.
幸いにも財布などの貴重品はこの中に入れていたので手元に残った.
適当な写真による図解をのせてみた.(画像をクリックして拡大)
歩き遍路は2日目にして荷物を失ってしまう.
穂
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