3日目は雨音で目が覚めた.
時計を見ると7時.外に出ると山の冷たい空気で一気に目が覚めて背筋が伸びた.正直,昨夜はさみしさに打ちひしがれていた.人と一緒にいたんだけど,どうしょうもなくさみしかった.むしろ一緒にいるからこそ.
8時には雨があがり始めたので,一晩お世話になった小屋を綺麗にかたずけ終えてから,一緒に泊まった4人の中で1番に出発した.皆に一礼と合掌をして別れを告げた.
うん.なんというか特に信仰もないまま四国遍路にやってきたけども,3日目にして何かうっすらと仏教っぽいものが芽生えてきた気がする.
しかし,仏教の道は果てしなく深い.僕はまだその入り口にも立てていないどるけども.まぁ,こんなもんを仏教と呼ぶと人には笑われるかも知れんけどね.
再びぎりぎり道と言えるような道を行く.
そして,ごく自然で当り前のことをあえて書くけど,動くと腹が減る.
なぜそんな当たり前のことを書いたかというと,空腹が単なる欲望ではなくて事件的に切実なものになっていたからである.
言ってなかったが,完全完璧に山をなめていた僕は食料と言えるものをろくに用意していなかった.
食料といえばクラッカーのみ.おかしいもん.昨晩からろくなもんを食ってない.
まぁまぁ,これも下山するまでの辛抱ということで今は目もくれず歩く.
昨日の仙人が言っていたように間違いなく昨日までの道より険しい.
途中あと1kmの標識を発見.
うぉー!!よっしゃー!!近いぜ近いぜ近いぜー!!へいへーい!!と叫び狂うこともできたが,腹が減るので仏様のように静かに先を急ぐ.
小屋を出てから3時間ぐらいたった時ついに焼山寺到着!
今までに味わったことがないような達成感.これは本当に今思い出しても鳥肌が立つくらいの感動.
不謹慎だけども,どうでしょうのロケ場所を発見.
草が生い茂っているが,1回目で大泉さんが近道だと登ってた場所.
ベンチでゆっくり休憩をして再び山の中へ.下山ってのはなんとも面倒でやりきれないなぁと思った.
結果,確か12番までは6時間近くかかった.それから下山しはじめて,降りきったのが13時ぐらいだったかな.
下山してまず何かって言ったら,メシ.
俺のイメージではふもとの町には適当なスーパーかなんかあるだろうと踏んでた.
あのねぇ,だんだんと嫌な雰囲気は感じてた.これ町とかじゃなくて集落って方が適切.スーパーもクソもないわけ.
忍耐の限界.
穂
PR