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友人2人による旅と日常の共同記録
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さて,途中投げにしている追録編どうしたもんか.

とりあえず前回の問題を解消しておく.
3日目の切実な空腹は通りがかったうどん屋さんのご厚意により
なんとか餓死の危険から逃れることができた.
ありがとうございました.

ということでとりあえず追録編はここで休載します.
気が向いたらまた再開します.


休載にあたってこのブログを読む数少ないどうでしょうバカ(ファン)のために
どうしてもアップしときたい1枚を公開.
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45番岩谷寺へと続く道.
冬場は凍結して滑りやすくなり大変危険.
悟りを開き始めた大泉さんも苦戦を強いられた場所であり,
大泉さんがうれしーのクリームパンを盗んだ現場でもある.
四国88ヵ所巡礼Ⅰの言わずと知れた名シーン.


なんかこの写真アップできただけで満足だな.
次回からは何か別のネタなりなんなりでお会いしましょう.

なんでもかんでも途中やめにするのが悪い癖です.

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3日目は雨音で目が覚めた.
時計を見ると7時.外に出ると山の冷たい空気で一気に目が覚めて背筋が伸びた.正直,昨夜はさみしさに打ちひしがれていた.人と一緒にいたんだけど,どうしょうもなくさみしかった.むしろ一緒にいるからこそ.

8時には雨があがり始めたので,一晩お世話になった小屋を綺麗にかたずけ終えてから,一緒に泊まった4人の中で1番に出発した.皆に一礼と合掌をして別れを告げた.
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うん.なんというか特に信仰もないまま四国遍路にやってきたけども,3日目にして何かうっすらと仏教っぽいものが芽生えてきた気がする.
しかし,仏教の道は果てしなく深い.僕はまだその入り口にも立てていないどるけども.まぁ,こんなもんを仏教と呼ぶと人には笑われるかも知れんけどね.


再びぎりぎり道と言えるような道を行く.
そして,ごく自然で当り前のことをあえて書くけど,動くと腹が減る.
なぜそんな当たり前のことを書いたかというと,空腹が単なる欲望ではなくて事件的に切実なものになっていたからである.
言ってなかったが,完全完璧に山をなめていた僕は食料と言えるものをろくに用意していなかった.
食料といえばクラッカーのみ.おかしいもん.昨晩からろくなもんを食ってない.

まぁまぁ,これも下山するまでの辛抱ということで今は目もくれず歩く.
昨日の仙人が言っていたように間違いなく昨日までの道より険しい.
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途中あと1kmの標識を発見.
うぉー!!よっしゃー!!近いぜ近いぜ近いぜー!!へいへーい!!と叫び狂うこともできたが,腹が減るので仏様のように静かに先を急ぐ.

小屋を出てから3時間ぐらいたった時ついに焼山寺到着!
今までに味わったことがないような達成感.これは本当に今思い出しても鳥肌が立つくらいの感動.

不謹慎だけども,どうでしょうのロケ場所を発見.
894ac8a7.jpg






草が生い茂っているが,1回目で大泉さんが近道だと登ってた場所.


ベンチでゆっくり休憩をして再び山の中へ.下山ってのはなんとも面倒でやりきれないなぁと思った.
結果,確か12番までは6時間近くかかった.それから下山しはじめて,降りきったのが13時ぐらいだったかな.

下山してまず何かって言ったら,メシ.
俺のイメージではふもとの町には適当なスーパーかなんかあるだろうと踏んでた.

あのねぇ,だんだんと嫌な雰囲気は感じてた.これ町とかじゃなくて集落って方が適切.スーパーもクソもないわけ.

忍耐の限界.

山道を登り始めて1時間.
想像以上の道の悪さに,足は早くもガックガク.
あまりの険しさに,デジカメの写真を撮る気が失せるほど.なので今回は写真なしです.
でも,アスファルトの地面と違って土の地面ってのは足の裏にかかる負担という点では格段に歩きやすかった.
黙々と険しい山道を登る.そして登ったと思ったら下る.そしてまた登る.
公道ではそこまで役に立っていなかった金剛杖が山道では素晴らしい活躍を見せた.

登り始めてから2時間後.
目的地の山小屋はまだ見えない.時刻は5時をまわって日暮れが迫ってきた.
山の下で銭湯に1泊しなかったことをおもっきし後悔した.
迫りくる「ここで野宿」という恐怖にあせりながら必死で歩くこと数十分.



ぁ!山小屋見えたー!!助かった・・・
山小屋までの下り坂を下る頃には足はがっくがこんgyひkぎょしみたいな感じになってた.下り坂も満足に下れないほどに不甲斐ない状態なので,仕方なくカニ歩きで下る.非常に格好悪い.遍路ころがし恐るべし.まさにその名の通りすっこーんと,ころがされてしまうところだった.
到着すると1時間もしないうちに日が暮れて外は明かり無しでは1m先も見えないほど真っ暗に.間一髪だった.
小屋に入ると先客が3人.大学生の2人組と,仙人のように髭を生やした,いかにも熟練そうなおじいちゃん.
この人たちと話をしていると,いかに自分が山をなめていたかを思い知らされた.山というよりも遍路をかもしれない.

何はともあれ,無事山中で野宿の危機を逃れることができたことにホッと一息つく.出会ったばかりの仲間たちとここまでの経過やこの先の不安などをひと通り話して寝る.いかにもな仙人はやはり,熟練で10番からの逆打ちだそうだ.つまり次の11番でラスト.すげー.昨日のことがあったので,今日も寝れないかと心配だったけど疲れのせいか,いつの間にか眠ってしまっていた.

四国に来てから1日がとても長い.実質この日の活動時間16時間.みのもんたか俺は.
こうして四国滞在17日間で非常に記憶に残った2日目が終わった.

とりあえず,あたりを探すが,見当たらない.仕方がないので来た道を引き返してみることにした.
最初は,歩いていたが焦る気持ちでだんだんとペースが上がる.早歩き,小走りを経て最終的には全力疾走.
いやー,もう歩けん.なんて思っていたけど,限界なんてものはまだまだ遙か先なんだろうね.いざとなったら走れるもん.

息が切れて足を止めた.息を整えながら少し冷静になって考えると,やっぱりどう考えてもあの親切そうなおじさんが荷物を取るとは考えられない.
おじいさんも何かの拍子に俺のことを見失って探しているとすれば,11番藤井寺を訪れるはず.ということに気づいたのでやっぱり藤井寺へ引き返すことにした.パニックになっててこんな簡単なことも考えられなかったとは・・・人の思考というのは想像以上にもろい.

藤井寺についてもう一度,車とおじいさんを探してみるが,見つからない・・・
やっぱり駄目かとあきらめかけた時に遠くで手を振る人が!なんとそれはあの親切なおじいちゃん.
どうも少し離れた所に無料の駐車場があるらしく,そこへ車を停めて寺へ来て見ると俺の姿が見えなかったので探していた様子.
急いで参拝をしたのが,逆に仇となったようです.少しでもおじいさんを疑った自分が恥ずかしくなった.

おじいさんと感動の再会を果たした後,再び藤井寺の中を案内してもらい,無事最寄りの銭湯まで送ってもらっておじいさんとは別れた.

じっくりと湯船につかって,次の12番焼山(しょうさん)寺へ向かう英気を養う.
しかもなんとこの銭湯,利用者の歩き遍路には無料で遍路小屋を使わせてくれるらしい.
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次の焼山寺へは12.3kmの山道で四国遍路屈指の難所.そんな険しい山道のことを「遍路ころがし」なんて言ったりします.
バイブルによると健脚5時間とのこと.風呂からあがると時刻は午後1時30分.

この時点で選択肢は2つある.

①銭湯の遍路小屋で1泊して翌日早朝から出発し,1日で12番を打つパターン.
②今日中に12番までの中間地点にあるという山小屋まで行き,そこで1泊し,2日かけて打つパターン.

安全策をとるなら①.そのかわり今日はここで足止めということになってしまう.
悩んだ結果,スピード重視の②にすることにした.

登山の前に腹ごしらえにと近くの商店でカップラーメンと飲み物を購入するとカップラーメンだけじゃあお腹がすくでしょうと奥へ通してもらいご飯と漬物を出してくれた.
食事中もその家のおじいさんがいろんな話を聞かせてくれてとても楽しかった.
車で送ってくれたおじいさんといい,銭湯の無料遍路小屋といい,この店の人々といい,この町の人は特別親切な気がする.人々の厚いもてなしや頑張りなさいという声に,期待に答えなければという思いも生まれる.

おじいさんの話に夢中になっているといつの間にか3時に近くなっていた.店の人達にお礼を言い出発.
それから山道を登り始めたのが3時半頃.
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↑この山を超えます.

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険しさは想像以上.


日が暮れるまでに山小屋へ到着しなければ,こんな山中で1泊というあまりに無謀な手段を取らなければならない.
商店のおじいさんの話によると,マムシなんかも出るとか出ないとか.つまり寝袋だけで山中に1泊は自殺行為.

死にたくないので急ぐ.

寝よう寝ようと思えば思うほど目が冴えるのです.
1日歩き続けて溜まった体の疲労が早くも痛みとなって寝返りするのもキツイ・・・

思い返してみると,この日の夜が四国滞在17日間の中でイッチバン長く感じた.
8時には横になったのだけど,深夜3時ぐらいまではガンガンに目が冴えまくっていた.
それから一瞬記憶が飛んで,ふと気づくと5時.え?今,俺寝てた?みたいな感じ.全く寝た気がせん.
あたりを見ると段々と夜が明けはじめていたので,出発することにした.ほとんど寝ていないのに体の痛みは不思議とやわらいでいたが,寝れなかったという精神的なダメージがでかい.

荷物をまとめて軽く朝食をとって出発.
2日目は少し曇っていて日差しがなく昨日に比べれば格段に涼しかったので調子が良い感じ.

しかし,途中から両足の小指とかかとあたりがピリピリと痛み始めた.
おっかしーなーと思って靴下を脱いでみると痛みを感じる場所には水ぶくれが・・・マジか.マメできちゃいました.
本当にあっけない.マメってもっともっと酷使しないとできないと思ってたけどあまりにもあっけない.
甘栗むいちゃいましたーみたいなノリでマメできちゃいましたーって.
バイブルの忠告を破って無謀ともいうべきペースで進んだツケが2日目にして回ってきました.

歩き遍路をする上で,足にマメを作るってことは精神的にも肉体的にも非常にマズイ.だって1歩踏み出すごとにマメがズキンと痛むのよ.最初のうちは万歩計で歩数と大体の移動距離を計ってたんだけど,1日3万歩,4万歩近く歩くのよ.
つまり1日3万回ズキンとするわけ.
それで,マメをかばうような歩き方を無意識にしてしまったりして,また変な所にマメができたりするの.負の連鎖.結局このマメは四国滞在中,毎日どんどんと大きく深く姿を変えて,僕を苦しめ続けた.

途中あまりの痛みのために,持参していたテーピングを施してみるとこれが想像以上の効果を発揮.たかがテープ.されどテープ.
テーピングはこの後も絶大な存在感と効果を見せつけてくれた保健部門のベストアイテム.また同時にマストアイテムでもある.途中でわざわざ買い足したほど.足の他にも杖との摩擦で手の皮が擦り剥けたりしたので手にもぐるぐると巻いて歩いていた.

歩き遍路の朝はテーピングで始まる.
2日目午前中はマメの痛みと格闘しながらも7番~10番まで計10kmを歩いた.
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道端の風景は相変わらず,こんな田んぼばっかり.

10番切幡(きりはた)寺についたのが大体正午前.参拝を終えて次へ向かおうとした時,おじいさんに声をかけられた.
話をしてみるとそのおじいさんは地元の人でよくこの寺にお参りに来るとのこと.しかも親切なことに,帰り道なので次の11番藤井寺(ふじいでら)まで車で送ってってくれるらしい!
このおじいさんのおかげで11番までの10kmを20分弱で移動できた.車ってなんて便利なんだ.歩くのが馬鹿らしくなるほどに便利.だって歩いてたら,3時間はかかるもの.

そして,このおじいさんの親切なこと.移動中も近辺のスーパーや銭湯の場所など事細かに教えてくれたのでとても助かった.
車内で少し話しているうちに藤井寺に難なく到着!
お礼を言って,参拝した後に教えてもらった銭湯に寄ってみますと言うと,「じゃあここで待っててあげるから参っておいで.その後,銭湯まで送ってってあげるよ.」と何から何まで親切.
ということでお言葉に甘えます.待たせては悪いと2,3分でお参りを済ませる.
ちゃっちゃと済ませた後は車のところまで戻ると,

あれ?車ないな?えっと,シルバーの軽・・・シルバーの軽・・・

・・・
・・・・・
・・・・・・・


無い!!

数分前に降ろしてもらった場所から跡形もなく消えてる!
しかもなんともマズイことに,あの車のトランクには着替え,寝袋,保健道具などの荷物を詰めたザックが丸々乗っけたまんまだ・・・
これ,まさかとられちゃった・・・の?超パニック状態.冷や汗が噴き出た.

手元に残ったのは,参拝に必要なものや,よく取り出すものをまとめた小さいバックのみ.
幸いにも財布などの貴重品はこの中に入れていたので手元に残った.
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適当な写真による図解をのせてみた.(画像をクリックして拡大)

歩き遍路は2日目にして荷物を失ってしまう.



可愛くない子にも旅をさせよ
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